リズムは人間の生活の中から生まれました。石を掘り、草を刈り、畑を耕し、種をまき、作物を育て、火を起こし、煮炊きしたすべての労働がリズムです。こうした労働はやがて文明の進歩により機械力に変わり、人の体も能力も変化しました。
体を使う事は人間の生きるための力です。歩く、走る、跳ぶ、回る、また家事も仕事もスポーツも遊びも、リズムを持っています。人は見たり聴いたり触れたり真似したりしながらリズムを体得していきますが、それは、音楽を感覚と動きと共にエネルギーを感じ、コントロールしながら想像的に表現するリトミック教育の行程と同じであり、誰もが身につける事ができます。
例えば、豆腐やかぼちゃを切るとき、その大きさや硬さをを想像し、力を加減するでしょう。動きには必ず用意があり、次の動きが大きいのか小さいのか、料理する時と同様、瞬間的に判断し、行動する事が必要です。リトミックでは反応動作の行程が多く、この事が色々な事態に素早く対応する力を培います。
音やリズムの変化を感じ、想像してすぐに判断して行動に移せるような人間を、リトミックという音楽教育を通して育てたいと私は思います。

石井先生 リトミックのお話 2014年4月
posted by リトミック アカデミー at 22:15
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